AS20331-脇差：無銘（兼房）

脇差：拵え入り(保存刀剣)
銘：　無銘（兼房）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は無銘（兼房）　としては上作にランクされる作品です。
研磨済み
はばき：金着せ一重
刃長:36.7センチ
反り:0.6 センチ
目釘穴:1 個
元幅:2.92センチ
重ね:0.62センチ
刀身重量:280 グラム
時代:室町時代末期 1558年頃
体配：多少の摩上区送りがあるが
身幅、重ね共にしっかりとした作品で表裏に棒樋を彫り
先反りがありボリューム感のある寸延び平打短刀です。
地鉄：板目肌練れて肌立ち地錵が良く付き肌目が見てとれ白気映りが現れる
刃紋：錵出来、匂口の深い丸みを帯びた互の目乱れに刃中、砂流し、金筋が働き帽子丸みを帯びて先焼き下げ、切先は掃掛ける

特徴：本作は無銘ではあるが匂口の深い丸みを帯びた互の目乱れを焼きあげる独特の刃紋から末関の兼房、兼法などが思い出されます。　
　　　　　　　　

拵：
鍔：木爪形鉄鍔に菊の図柄を高彫りし、金色絵をほどこす。
縁頭：赤銅地　魚子仕立てに菊の花を高彫りし、金色絵をほどこす。
鞘：黒褸色に細かな点を一面に入れた鞘
目貫：人物を高彫りし、金色絵をほどこす。
小柄：菊の図柄を高彫りし、金色絵をほどこす。
葵美術より一言　しっかりとした短刀でいかにも室町時代末期の体配をした作品で匂口の深い丸みをおびた互の目乱れを焼き刃中の働きも良く比較的穏やかな雰囲気を持った作品です。付随する拵は秋の菊を題材として高彫りし、金色絵をほどこし華やかな雰囲気をもっております。

時代背景：戦国時代

保存刀剣鑑定書(近日発行)
葵美術評価鑑定書：全身押し形