AS21663-刀:津田近江守助直 貞享五年八月日

説明

刀:白鞘入り、拵え付き(特別保存刀剣)
銘:津田近江守助直 貞享五年八月日     
新刀:上々作:良業物:摂津

当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております。
本作の出来は兼綱としては上々作にランクされる作品です。

研磨済み
はばき:金着二重
刃長:61.5センチ
反り:1.5センチ
目釘穴:1個
元幅:3.03センチ
先幅:1.5センチ
重ね:0.66センチ
時代:江戸時代貞亨の頃
体配:やや短めの刀で身幅が広め重ねやや厚く反り深く切先の延びた体配の綺麗な姿をした刀。
地鉄:小板目肌実の良く詰んで地錵が付き見事な大阪地金となる。
刃紋:錵出来、匂口の深い互の目乱れ、濤乱刃となり足太く匂口が柔らかく雪の叢消えといった師匠である助広の作風に酷似する。

特徴:津田近江守助直は大阪新刀の刀工。寛永十六年(1639)に生まれた。
江州野洲郡高木村から大阪に出て津田助広初代に入門。寛文九年(1669)に近江大掾を受領するが、直ちに近江守に改まる。延宝三年(1675)頃、津田助広初代の娘婿となる。
天和二年(1682)より津田姓を名乗る。元禄六年(1693)五十五歳以降は作刀していないようで、この年を没年とする説もある。
作風は先反り気味の体配に濤乱刃を得意とするが、波の数は二代助広より多い。
銘は天和頃から晩年二代助広に倣った近衛流の草書体で切る。殊に裏年紀は種々の字体を使い、刀工として能書家であったとされる。

拵:半太刀拵え
鍔:太刀鍔風の鉄鍔。
縁頭:赤銅魚子地、金の色絵を施す。
鞘:朱漆塗り鞘。
目貫:天狗の図を高彫りし金と銀の色絵をほどこす。

葵美術より一言:初代助広はそぼろ助広と異名があり、その弟子となり丁字乱れ風の作風も学び更に二代助広の濤乱刃を学んでその両方の作風を踏襲し見事にその力量を物にしました。
助広の完成された濤乱刃よりやや変化に富んで野趣にも富み時には師匠の作を上回る出来が多く評価出来る作品と言えます。

葵美術評価鑑定書
特別保存刀剣鑑定書
全身押し形

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2021/12/26 (日) 12:53

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