AS20592-短刀:東備岡府産逸見閑斉義隆

短刀:拵え入り(特別保存刀剣)

銘: 東備岡府産逸見閑斉義隆
明治二年二月吉日三十三□刻物同
作
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は 東備岡府産□見閑斉義隆 としては最上作にランクされる作品です。

はばき:銀一重
刃長:20、8センチ
反り:0.0センチ
目釘穴:1個
元幅:2、9センチ
先幅:センチ
重ね:0、6センチ
刀身重量: 205グラム
時代:明治2年(1869年)
体配:身幅が広く重ねやや厚く刀身の表には龍が虎の尾を捕まえている図と裏面には梅
と竹の図柄を彫る
地鉄:小板目肌よく詰んで地沸がつく
刃紋:沸出来匂口が深い直刃を焼き上げ帽子丸く返る

特徴:東備岡府産逸見閑斉義隆は岡山の刀工で自ら甲斐源氏の末裔と称し逸見義隆と名乗り17歳の年齢に文久2年(1862)年、摂津の刀工文久2年(1862)年、摂津の刀工天竜子正隆
より鍛刀技術を学び3年後に岡山に戻り鍛冶場を作り岡山の著名な正阿弥勝義から彫刻を学んだ。
その彫刻は木製の彫刻をも行いその技術はその後大いに役に立つ事となるやがて明治4年の廃刀令のために多くの刀工が失業の憂き目になる中で刀身彫刻や木製の彫刻などで大いに人気を博し博覧会などでは明治28年に一等金杯を獲得するなどその
実力はまさに素晴らしく大正天皇に太刀を献上し倉敷市羽黒神社には大太刀に龍の彫刻をほどこした。名品があり残された工芸品はかなり多数存在し明治時代の金工、彫刻家として揺るぎの
ない明光であったのです。
廃刀令によって刀匠を辞め刀剣商となる大正9年12月70歳生國の岡山で亡くなる。

拵:
鞘:黒印籠刻み鞘
目貫:赤銅値でうずらと花を高彫し金で色絵をほどこす
小柄:素銅地に虎の図柄を大きく彫った作品で目の部分は金で色絵をほどこす。
小刀:池田鬼神丸国重

葵美術より一言:本作は審査に出した段階では錆びた状態でしたが、特別保存刀剣に合格し、現在はしっかりと研磨も施されています。
彫りは同作で刀身に刻まれた龍が虎の尾を捕まえる図と後ろの竹と梅の花の図柄はまさに最上級の彫りと言えます。なを拵えも素晴らしく、特に小柄は珍しいデザインで相当技量が必要とされる作品だと思います。是非、お勧めいたします。

特別保存刀剣鑑定書
葵美術鑑定書
全身押し型