AS21150-刀:九州肥後同田貫上野介

刀:白鞘入り(特別保存刀剣)
銘: 九州肥後同田貫上野介

鞘書:田野辺先生:九州肥後同田貫上野介 本工は小山上野介信賀のちに加藤清正より正の1字を賜り正国に改むと云う。
本作の姿態地刃共に同工のみならず同派の特色が著しく豪快幽魂の趣を湛える典型的優品也
長二尺三寸六分半有し 探山邉道識

当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は 九州肥後同田貫上野介 としては上々作にランクされる作品です。
研磨済み
はばき:金着二重
刃長:71.7センチ
反り:1.6センチ
目釘穴:1個
元幅:3.26センチ
先幅:2.87センチ
重ね:0.75センチ
刀身重量: 920グラム
時代:室町時代末期
体配:身幅が広く、重ね厚く、反りやや深く付き
鋒がのびた豪壮な体配をした作品です。
地鉄:板目肌練れて肌立ち地沸がよくつき映りが現れ同田貫独特の肌合いとなる。
鎬地:地鉄同様に板目肌に正が混じる。
刃紋:沸出来直刃基調に小互の目乱れに小足が入り
砂流。細かな金筋が働く。

特徴:同田貫派は延寿の末流として古刀末期に肥後(現在の熊本県)で興った一派で、加藤清正の刀工として活躍した。
正国と、清正から「清」の文字を賜った清国が著名である。
他に俗名のみを切るものもあった。
加藤清正好みの豪壮な実戦刀をはじめ、野戦用の槍や薙刀もかなり製作された。幕末には正国の子孫が再興した。本作は室町時代末期慶長頃に活躍した上野介によるものである。
他の上野介の作には菊池住と切り添えた物や、
文禄・慶長の年紀を切り添えた物がある。
葵美術より一言:最近は同田貫を蒐集される方が、多くかなり高めで取引がなされている様です。
本作は摺上げながら銘は完全に残り刃紋も直刃のたれ
に小足が入り切先は乱れ込んで野趣に富んだ作品です。体配も慶長新刀の体配で珍しいのは映りが現れております。
本作は身幅が広く重ね厚く反り深く鋒がのびたがっしりとした作品で肉置きがよく健全であります。
野趣に富んだ作品で目釘穴1個の作品で田野辺先生の鞘
書で同派の特色が著しく豪快幽魂の趣を湛える典型的優品
也と記載されております。 是非お勧めしたい作品です。

特別保存刀剣鑑定書
葵美術評価鑑定書:全身押し形