AS15981-刀:無銘(伝長義)

説明

刀:白鞘入り、拵え付き(第46回重要刀剣)

銘:無銘(伝長義)
                                   
鞘書: 第46回重要刀剣指定
備前国長船長義 大摺上無銘也 幅広、重薄く
大鋒の勇健なる姿態を呈し地錵厚く精強なる肌合いに
小湾がなを角張る乱れを主調に焼き申し候 
一見兼光風あれど上段に錵強く所々に耳形風の刃も交えるなど
相伝備前の旗頭なる同工と鑒すべき妥当なる優品なを宛同工短刀の乱れを見るが如し 
長さ貳尺三寸一分半 裏面に時在巳亥暦弥生探山識

中古刀:最上作:大業物:備前
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は最上作としてはにランクされる作品です。
研磨済み

はばき:金着二重
刃長:2尺3寸2分(70.3 センチ)
反り:8分5厘(2.58センチ)
目釘穴1個
元幅:2.9センチ
先幅:2.865センチ
重ね:0.77センチ
刀身重量:810グラム
時代:南北朝時代 貞治 1362年
体配大摺上無銘で身幅重ね尋常な鎬が急で
平地が広く大切先の豪快な作品となる。
地鉄:個板目肌実に良く詰んで地錵が付き
地景が良く働き精良な詰んだ美しい地金となる。
刃紋:匂出来に小錵出来が交り互の目乱れ乱れとなり
小丁字、小のたれなどが交り華やかに乱れ匂勝小に衛が付き。金筋、砂流,葉が働く。
帽子:乱れ込んで先小丸となり尖り御頃に帰る

特徴:長義は相伝備前といわれ南北朝時代の備前鍛冶で
兼光と並び称される技量を示す刀工であります。
作風は匂主調の物と錵出来の強いものの両様があり
当然後者が多く備前刀の中で備前ばなれをした刀工は長義也と古来云われるより
その刃紋は兼光以上に出入りと変化の目立つ個性の強いものが
多く地鉄も板目に地錵が厚く敷き地景を交えている。

拵:
鍔:竪丸形の鉄鍔に紅葉と流水図を高彫りし金銀布目象嵌をほどこす。
縁頭:赤銅魚子地に熨斗の図を高彫りし金で色絵をほどこす。
鞘:小豆色鞘
目貫:赤銅地に尾長鶏を高彫りし金で色絵をほどこす。
小柄:赤銅魚子地に熨斗の図を高彫りし金で色絵をほどこす。
小刀:竹製

葵美術より一言 備前鍛冶の中で相伝備前を焼く刀工は少なく
その筆頭が長義(ながよし 又はちょうぎ)といわれ
愛刀家垂涎の刀工と云われております。
特に地金は相伝というよりば良質な備前の地金をしており
地金が詰んで淡い映りを出し細かな地景が良く働く、
刃紋は小錵出来、匂出来が交じっている作品が多い。
本作は鎬地が広く鎬地の地金の板目肌に柾目を見て取れるのも
当時の地金を良く観察出来る大切先であり、豪快な作品と云えます。横手付近に埋金がございますが、そこまでは目立たず、
地刃共に素晴らしく第46回の重要刀剣に合格しております。
最上作として相伝備前鍛冶の筆頭として滅多にでてこない作品ですので是非御薦めしたい作品です。

第46回重要刀剣
葵美術評価鑑定書:全身押し形


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2021/05/21 (金) 12:24

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