AS17378-薙刀：無銘(固山宗次）

薙刀：拵え入り(保存刀剣)
銘：無銘(固山宗次）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

新新刀：上々作：武蔵
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は無銘(固山宗次）としては上々作にランクされる作品です。
研磨済み　上研磨
はばき：素銅一重
刃長:39.1センチ
反り:1.1センチ
目釘穴:3個
元幅:3.0センチ
重ね:0.95センチ
刀身重量: 795グラム
時代：江戸時代末期
体配：両刃の薙刀で鎬にも刃紋を焼いた大変珍しい作品。
地鉄：小板目肌よくつんで地沸がつき綺麗な肌合いとなる。
刃紋：小沸出来丁子乱れとなり帽子小丸に返り大きく焼き下げ
沸出来互の目乱れを焼く。

特徴：備前介藤原宗次は陸奥白河に固山宗平の弟として生まれ宗兵衛と称した更に白河松平家の抱工として作刀し藩主に従い桑名に移住する。天保二年に江戸に出て鍛刀する。当時からかなり有名であったと考えられ彼に刀を注文する武士はかなりあったと言われている。　裁断銘も数多く本作の様な所持者銘もかなりの数にのぼる。　宗次の作品はどれもが欠点のない出来が多く高技量の持ち主であった事が伺える。

拵：薙刀拵え

葵美術より一言：無名であるが大変珍しい固山宗次の
薙刀であります。さらに興味があるのは両刃作りの作品で
これは珍品といって良い作品です。
固山宗次は大変厳しい職人であった為、満足にいかない作品には銘を入れないという頑固さがあったと言われております。
ある本によると清麿が宗次の近所に引っ越してきた際挨拶に
こなかったと果し状を突きつけたと言われております。　　
本作は自らの作品に完全に満足できなかったので
無名のまま、残したのであろうと考えます。

保存刀剣鑑定書
葵美術評価鑑定書：全身押し形