AS20158-脇差:備州長船康光

説明

脇差:白鞘入り、拵え付き(保存刀剣)

銘:備州長船康光
応永二十二二年□月日 (十月日)

当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は備州長船康光としては上作にランクされる作品です。

研磨済み
はばき:金着二重
刃長:39.0センチ
反り:0.3センチ
目釘穴:1個
元幅:2.7センチ
重ね:0.52センチ
時代:室町時代応永24年(1429年)
体配:平打ち寸延び短刀
地鉄:小板目に小杢目肌が実に良く詰んで地錵が付き
直刃刃紋の上部に揃って直映り(棒映り)が現れる。
刃紋:小錵出来で直刃、匂口やや深く物打ち近辺から刃幅が細か
幾星霜経過した為に刃紋が刃に近い状態となっております。
帽子:丸く返る
彫り物:表裏に護摩箸を彫る

特徴:備州長船康光は室町時代を代表する刀工で盛光、康光がその筆頭であると言われております。
二十二二=二四という意味です。南北朝時代の長大な刀が姿を消して短めの脇差、寸延平打ちの作品が
多く生産される様になった。 特に双璧である盛光、康光は南北朝時代の備前物と同様な素晴らしい地金
の制作を踏襲し更に変化をさせて抜群の美しい地鉄に刃紋に沿って棒映りを制作しております。

拵:
鍔:赤銅石目地に竹と鳳凰の図柄を高彫りし金の色絵をほどこす。
縁頭:赤銅魚魚子地に獅子の図柄を高彫りし金の色絵をほどこす。
鞘:美しい鮫皮 梅花皮(かいらぎ)
目貫:赤銅地で鳳凰の図柄を高彫りし金の色絵をほどこす。
小柄;赤銅魚魚子地に太鼓と舞う人物を高彫りし、金、素銅で色絵。
小刀:国次と銘がある。

葵美術より一言:備州長船康光の平打脇差です、 一般的に康光は2字銘が多く本作の如く長銘でしかも
年期を彫る作品は少ない。多少の研ぎ減りはあるが芯鉄が無く無垢鍛えなのかも知れません。
表裏に彫られた護摩箸も美しく品格のある作品と言えます。
匂口の柔らかな直刃刃紋に刃上に棒映りが鮮明に表れ素晴らしい形態は昨今中々でてこない作品です。
拵えも梅花皮(かいらぎ)鮫皮に華やかな鍔と縁頭が最上級の侍によって保存され続けてきた作品です。
是非御薦めしたい見事な作品です。

時代背景:応永23年10月2日(1416年)600年程前 上杉禅秀の乱が始まる。
関東で起こった戦乱で前関東管領であった上杉氏憲である上杉氏憲が(禅秀)鎌倉公方の足利
持氏に対して起こした反乱である。禅秀とは上杉氏憲の法名。 ウイキペディアより引用

葵美術評価鑑定書:保存刀剣鑑定書
全身押し形


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2021/01/31 (日) 09:59

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