AS20392-短刀: 大阪住月山貞勝謹作(花押)

説明

短刀:白鞘入り、箱付(特別保存刀剣)

銘: 大阪住月山貞勝謹作(花押)
昭和十八年十月吉日

箱書: 守刀 壱口 以相州正宗伝長7寸五分
切銘 大阪住月山貞勝謹作 花押 昭和18年10月吉日
右先考乃佳作に有乃作 大和三輪扶井河乃上源貞一誌

当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は 月山貞勝 としては上々作にランクされる作品です。
研磨済み
はばき:銀一重
刃長:23.0センチ
反り:0.0センチ
目釘穴:1個
元幅:2.21センチ
重ね:0.67センチ
刀身重量: 145グラム
時代:昭和18年 1943年
体配:やや小ぶりの短刀で身幅、尋常重ね厚く
体配の良い作品です。
地鉄:小板目肌に小杢目肌が混じり地沸がつき
地景が働き精良な地金となる。
刃紋:沸出丸みを帯びた互の目乱れ、尖り互の目乱れが混じり
変化に富んだ作品です。

特徴:月山貞勝(月山英太郎)は大正期から昭和初期にかけての日本刀匠を代表する名匠。
明治ニ年(1869)生まれ。初代月山貞一の息子。
父の名声が高く明治末年から大正初期、四十代迄の自身銘の作は少ないが、父貞一の没
後である大正十年代からは、多くの作品が
その技量を遺憾なく発揮した素晴らしい物である。
宮内省の皇室御用達の刀、伊勢神宮への奉納刀、多くの下賜刀を鍛え、その作刀態度は
厳しく真摯なものであったという。
清浄な場所で清浄な心で刀を鍛えるという信念から、昭和十年(1935)に鍛練場を吉野
山に移した。実子のニ代月山貞一、愛媛の高橋貞次の二人の人間国宝をはじめ、多くの
名工を育てた。作風は逆がかった丁字乱れ、綾杉肌鍛などを得意とし、相州伝、備前
伝、大和伝、等全てこなす伎倆の高さは驚く程である。
特に綾杉肌と言われる月山肌は鎌倉時代からの伝統を受け継ぎ、
現代に至る迄継承されている。また彫物にも非凡な才能を発揮した。昭和十八年
(1943)十二月二十四日、七十四歳で没。

葵美術より一言:月山貞勝は直刃出来の作品が圧倒的に多い。その中で本作は互の目乱れで
刃中の働きが横溢で見事な出来と言えます。
月山貞勝の見事な作品をお勧め致します

特別保存刀剣鑑定書
葵美術評価鑑定書:全身押し形


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2020/11/01 (日) 11:34

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