AS15633 脇差:備州長船盛光(特別保存刀剣)

脇差:白鞘入り、拵え付き(特別保存刀剣)

銘:備州長船盛光
応永二十四年八月日

中古刀:上作:大業物:備前
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は備州長船盛光としては上々作にランクされる作品です。
はばき: 金着一重はばき
登録証番号:東京都19773号
交付年月日:昭和26年3月31日
刃長:1尺2寸4分(37.7センチ)
反り:1分5厘 (0.45センチ)
目釘穴:1個
元幅:2.7センチ
重ね:0.5センチ
時代:室町時代応永時代(1417)
体配:身幅、重ね尋常で表裏に棒樋を彫り、反りが付き、寸延びの短刀
地鉄:板目肌に杢目肌が混じり地錵が付き、地景が入って無類に良い肌目が見て取れる地金となる。地には映りが現れる。
刃紋:小錵出来、丁字乱れとなり小足が入り、
帽子乱れ込んで先尖って返る。所謂蝋燭の燃える芯と呼ばれる典型の作品となる。

特徴:備州長船盛光は師光の子で修理亮と称し、応永備前の筆頭でその他に康光や師光が活躍する。
その中でも盛光は特に有名で、室町時代初期に活躍する所から応永備前と称されている。特に地金の良く練れた美しさは抜群で宝石を見る様な見事な地金を現出している。本作は地金が抜群に良く練れて地錵が良く付き、地景が激しく入り、映りがあらわれた見事
な地鉄といえます。刃紋は尖りごころが混じる丁字乱れとなり、帽子は尖り御頃に返る所謂蝋燭の芯を思わせる作品です。初代の盛光は上作にランクされ大業物として著名な刀工であります。

拵:
鍔:鉄鐔に透かし彫りを施す。耳は赤銅で覆輪をし金色絵。
縁頭:鉄地に家屋と松の木を高彫りし金の色絵をほどこす。
鞘:朱と黒の鞘
目貫:赤銅地に獅子を高彫りし金で色絵をほどこす。
小柄:赤銅地に龍と雲の図を高彫りし金で色絵をほどこす。

葵美術より一言:昨今名品が市場から極端に少なくなりました。
本作は盛光の傑作刀で生茎で目釘穴一個で刀身は健全な作品です。応永備前独特の最良の地金と盛光独特の丁字乱れを焼き上げ鮮明な映りが出ております。本作は出来も良く地金も健全であり更に拵えが評価出来る見事な作品です。滅多にでてこない健全な盛光を是非御薦め致します。

特別保存刀剣鑑定書
葵美術鑑定書:全身押し形