AS16652-刀：無銘（近江大掾忠広)

刀：白鞘入り、拵え付き(保存刀剣)
銘：無銘（近江大掾忠広）　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は 無銘（近江大掾忠広） としてはにランクされる作品です。
研磨済み
はばき：金着一重
刃長:72.0センチ
反り:1.5センチ
目釘穴:1個
元幅:3.06センチ
先幅:2.3センチ
重ね:0.67センチ
刀身重量: 780グラム
時代：江戸時代寛永の頃
体配：生茎で当時の体配がよくわかる作品で
身幅がやや広く重ねしっかりとして反りやや深く鋒ののびた
体配の良い作品です。
地鉄：小板目肌よく練れて地沸がつき
精微につまり粉糠肌となり肥前独特な素晴らしい地鉄となります。
刃紋：沸出来中直刃となり匂口が深く付き小足がよく働く。　
帽子。匂口深く丸く返る。刃中には匂口の深い直刃に刃縁柔らかく足よくはたらき金筋、砂流が働く。

特徴：肥前の刀工近江大掾藤原忠廣は初代忠吉の実子で
本名を橋本平作郎という。父の没した後の寛永十年（1633）紀からの作刀が見られ、寛永十八年（1641年）に二十九歳の時、近江大掾を受領。受領後の正保、慶安頃が最盛期であったといわれる。終生忠吉銘は襲名せず、忠広と銘した。藩より屋敷と切米二十石を拝領し肥前刀の高揚に務めた。作刀期間は約六十年と長く、長寿であった為作品数は多く作風も多彩である。元禄六年（1693）八十歳にて没した。長寿であった為作品数は多いが、寛文三年（1663）頃からの晩年作には三代の代作も見受けられる。切れ味が良く、大業物に指定されている。地鉄の美しさでは肥前刀随一といわれ、父忠吉に次ぐ名工との評価が高い。
本作は身幅広く重ね厚くがっしりとした健全な刀で

拵：
鍔：木瓜型鉄鍔に松の木と船の錨に止まる白鷺が１羽のどかに休んでいる風景を高彫し金で色絵をほどこす。
裏には川の流れに亀が一匹あるいている風景を高彫し
金で色絵をほどこす。
縁頭：銀地に家紋を彫る。
鞘：変わり塗り鞘。
目貫：鉄地で矢尻を高彫りする。

葵美術より一言：本作は生無銘の作品で身幅も広め、
重ね厚く鋒がのびた体配の良い作品でこ　　れほどの作品がなぜ
無銘であったのかと思います。どこから見ても近江大掾藤原忠広以外もっていきようもない忠広の傑作です。
　瑕や欠点もなく素晴らしい作品です。 お値段も思いっきり勝鬨橋から飛び降りた気持ちでつけさせてもらいました

保存刀剣鑑定書
葵美術評価鑑定書：全身押し形